中京グループ眼科専門医による
目に関するポータルサイト

専門医による
目の病気の解説

【斜視弱視・小児眼科】弱視治療

斜視弱視・小児眼科
弱視治療

津久井 真紀子

斜視弱視・小児眼科
弱視治療

眼科専門医津久井 真紀子

加藤眼科医院

弱視とは

弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズなどをしても、視力が十分に出ない状態をさします。視力は生まれてすぐに1.0が見えるわけではなく、赤ちゃんのときはぼんやりと(1歳でだいたい0.1くらい)、そして成長の段階でいろいろなものを見て網膜に刺激を与えることで1.0以上まで発達して、獲得していく能力です。ですので、その成長の段階に何らかの邪魔が入り、視力の発達が妨げられると弱視になってしまいます。視力の発達にはタイムリミットがあり、それ以降の発達は難しいと言われています。

弱視の治療について

弱視の治療は、視力の成長を妨げる原因を取り除いて、タイムリミット内に、見える力を獲得することです。視覚の感受性は、生後より1歳半頃までが最も高く、それ以降はゆるやかに下っていって、8歳~10歳ころまでがリミットだと言われています。

弱視には大きく分けて以下の4つの原因があります。

1 屈折異常弱視
高度の屈折異常(遠視や乱視、近視のこと)が原因です。そのために網膜にピントをあわせられず常にぼやけた状態でしか見えないので、視力が発達しません。治療は適切な屈折矯正をする(眼鏡をかける)ことです。正確な屈折値を調べるために、点眼をして、検査をする必要があります。
2 不同視弱視
右眼と左眼の屈折の差が大きいため、見やすいほうの眼を使い、見にくいほうの眼を使わないことが原因です。片眼が見えているため、特に気づかれにくいです。治療は①屈折異常弱視と同様に、適切な屈折矯正(眼鏡をかける)をして、常に両眼ともピントが合う状態にすることです。しかしそれだけでは見にくいほうの眼を使えるようにならないことも多く、見にくい眼でみる特訓(健眼遮閉といいます)をすることもあります。
3 斜視弱視
斜視が原因です。常に斜視になっている眼では眼の中心部にまっすぐ光が入らず、視力が育ちません。治療は斜視を治すことですが、目の位置だけを治しても、視力がでなければまた斜視が再発してしまう可能性が高いので、健眼遮閉などの弱視治療を併用して両眼を一緒に使えるようにする必要があります。
4 形態覚遮断弱視
先天白内障や眼瞼下垂、不適切な眼帯使用など、視力の発達時期に網膜に光が届かなくなることが原因です。まずはその原因を取り除くことが治療になります。他の弱視に比べて、光刺激すら網膜に届かない状態になるため、その時期が早くて、発見が遅いほど、視力予後が悪くなってしまいます。

弱視治療にとって大事なことは、タイムリミットがあり、子供のうち(だいたい10歳くらいまで)にしかできない、ということです。小さい子に眼鏡をかけさせるのはかわいそう、不便だから、中学生になったら眼鏡をかけようか、と思っていると一生見えない状態で過ごしていく事になりかねません。車の免許取得やその後の生活の大きなハンデになってしまう可能性もあります。
そして、子ども自身が「見えない」といって訴えることもまずありません。子どもは(誰でもそうですが)、自分の見え方以外の見え方を知らないですし、自分の見え方が当たり前と思って過ごしているからです。
子どもの視力が出ない原因はさまざまな要因が絡み合っていることもあります。気が散って検査に集中できなかった、斜視もあるけど不同視もある、白内障があるけど屈折異常もある、などです。感受性の高い、できるだけ早い時期にみつけて、適切な治療を開始することで、子どもの視機能を最良の状態まで育てることができます。ですが、逆に発見がおくれてしまった場合でも、諦めないでください。10歳をこえていても速やかに治療を開始することで、視力を伸ばせる可能性も多く報告されています。

YOUTUBEYOUTUBE

弱視治療に関するインタビュー動画を
ご視聴いただけます。

中京グループの医療機関

弱視治療が受けられる医療機関

眼科専門医 津久井 真紀子
眼科専門医
津久井 真紀子
3歳児健診や学校健診で眼科受診を勧められたり、あれ?見にくいのかな?など気になることがあればまず受診してください。0歳から年齢に応じた検査をして、視機能の発達を調べることができます。

大雄会第一病院 眼科

〒491-8551

愛知県一宮市羽衣1-6 12号

TEL:0586-72-1211

閉じる

中京眼科

〒456-0032

愛知県名古屋市熱田区三本松町12-22

TEL:052-883-1543

閉じる

加藤眼科医院

〒445-0872

愛知県西尾市矢曽根町赤地70

TEL:0563-56-3308

閉じる

ページトップへ