中京グループの専門医が監修した、
さまざまな眼疾患の一般知識を
調べることができます。
関連記事コーナーには、各眼疾患についての有益な情報を随時更新します。
もともと目の中では角膜や水晶体に栄養を送るために、常に房水という水が流れています。
この水は虹彩(茶目)の裏側で作られ、瞳孔(黒目)を通って虹彩の表側に出て、虹彩の付け根の部分にある排水溝のような所から流れ出し静脈に吸収されます。
この水の流れがあってこそ眼球はその形を保っていられるのですが、この水の作られる速さと、排出の速さのバランスによって目の固さ、すなわち眼圧が決まります。
正常な眼圧は10から20mmHg(ミリメートル水銀柱)の間で変動していますが、バランスが崩れ上手く水が流れていかないと21mmHg以上の高眼圧となり視神経に過剰な圧力がかかり視覚障害、特に視野障害を起こします。
ただし、視覚障害を起こす眼圧には個人差があり眼圧が2mmHg台では何の視野変化も認めない人もいれば、10mmHg台でも視野変化が起こっている人もいます。
急性の緑内障発作でなければすぐに失明してしまうことは少ないので、緑内障性の視野変化が認められる人はまずその人の全身状態を確認した上で、使用できる眼圧降下剤の点眼薬を使用し、眼圧の下がりと、視野の変化を確認します。
眼圧降下剤の内服や点滴もありますが、副作用の点で長期の使用は難しく、使えるだけの点眼を使用しても視野変化が認められる人は水の排出の障害となっている部分に対して手術をします。排出の障害となる部分の数以上に手術方法があり、眼圧上昇の原因や、眼圧、視野障害の程度、年齢、眼科手術の既往、手術の合併症、成功率などを検討してそれぞれの患者さまに最も適した方法で手術をします。
ただし、眼圧が下がったとしてもそれまでの視覚障害は残ります。また緑内障は完治する病気ではありませんので定期的な眼圧や視野の確認が必要です。自覚的には変化が無くても眼科にかかり確認する事をおすすめします。
頭が痛くなって吐き気がする病気は、頭の病気も充分考えられますが、それに伴って、片目の充血や、かすみによる視力低下を認めたのであれば、急性の緑内障発作が考えられます。
特に、それまで眼鏡をかけたことがない中年の女性の場合、その可能性は高くなります。すぐに眼科に受診してください。
緑内障は自覚症状がないまま進行する慢性のものがよく取り上げられますが、急性のものもあります。急性緑内障発作はすぐに失明の恐れもあります。
もともと目の中には角膜(黒目)や水晶体(茶目の奥にある人の目のレンズ)に栄養を送るために常に房水という水が流れています。この水は虹彩(茶目)の裏側で作られ瞳孔(黒目)を通って虹彩の表側に出て、虹彩の付け根の部分にある排水口のような所から流れ出し最後には静脈に吸収されます。この房水の流れる道が狭くなり、上手く水が流れて行かなくなると、目の中に水がたまり急激に圧力がかかって固くなります。急に圧力がかかると透明だった角膜に水がたまりスリガラス状になってかすみますし、白目の充血も起こります。そのままですと目から脳へとつながる視神経が傷み失明してしまいます。
治療はまず目の圧を下げるための点滴と瞳孔を縮め水の通りをよくする目薬をさした後、虹彩の一部に穴をあけ裏側にたまった房水を排水口へと流す通り道を作る事です。
これは現在では眼科の治療用レーザー光線を使って作る事が多く、手術しなくても眼圧を下げる事が出来ます。ただし、長い時間目に圧力がかかり視神経がすでに傷んでしまった場合には、治療で圧が下がったとしても見にくさが残る可能性がありますので、おかしいと思われたら早急に眼科にかかり眼の圧を確認する事をおすすめします。また、虹彩の一部に穴を開けただけでは圧が下がらない人もいますので、その場合は他の処置や手術が必要になる事もあります。
※各眼疾患の症状には個人差があり、治療方法も様々です。目に異常を感じたら、必ず眼科を受診し、医師の診断・指導のもと、治療を行ってください。